まだ雪の残る宝登山頂上の斜面に、
上品な黄色の花をつけた蠟梅の木々が1000本近く立ち並び、
下向きに咲いた花のつけ根あたりにも所どころ雪がとけ残って、
なかなか風情のある“雪蠟梅”でした。
妻と二人、
うっとりと感激しながら山の斜面をひと回りして、
ロープウエイの駅に近づいた時、
突然、
「こちらは秩父警察署です。
みなさん、
振り込め詐欺にあわないよう気をつけましょう!」
という大きなアナウンスの声が、
すてきな蠟梅の咲き誇る斜面に響きわたりました。
「いいねえ、きれいだねえ!」
などと言い交わしながら斜面を帰ってきた人たちは
皆一瞬ぎょっとしたような顔になり、
何秒か後に、
あちこちから「つやけしだねえ・・・」というつぶやきが・・。
どうやら、地元の警察署が、
年寄りの見物客が多いと思われる宝登山に目をつけて、
振り込め詐欺撲滅キャンペーンに、
マスコットの着ぐるみを連れてやってきたようです。
帰りのロープウエイを待つ100人近い観光客の一人一人に
何人かのおまわりさんが、手分けして、
布製のエコバックとティッシュペーパーとウエットティッシュを手渡しながら、
「振り込め詐欺に気をつけてください」
と呼びかけていました。
いただいたティッシュペーパーには、
次のような呼びかけのチラシが入っていました。
「急な電話とウメエ(梅)話に
ロウバイ(狼狽=蠟梅)するな!
マメ(豆)に家族と話し合い
大事な宝を守ろうね
秩父警察署 秩父地区防犯協会」
蝋梅見物の観光客に
「狼狽いするな」の呼びかけは効果抜群!
と感心感銘の蝋梅見物でした。