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本人確認はだれのため?

本人確認はだれのため?

私の義兄(75歳)は今私たち夫婦といっしょにくらしていますが、
35歳で両目を失明し、10年ほど前に右足首を骨折し、自力で立つことも歩くこともできません。
その兄が我が家の近くにマンションを買うことになり、
購入代金を彼の実家近くの銀行からわが家に近い支店に移し、
その支店からさらに我が家の近くの別の銀行口座に振り込もうとしたのですが、
届出印の関係でどうもうまくいかず、
とにかくなんとかして義兄を銀行まで連れて行って本人確認をしなければならないとのこと。
車椅子への乗り降りや車への乗り降りにさえ大変な労力と時間がかかる義兄を
やっとのことで車に乗せて、
わが家近くの銀行まで行き、「本人確認」をしてもらいました。
銀行「あなたは今回の取引について承知しておられますか?」
義兄「はい」
銀行「あなたは弟さんが代理で取引を進めることに同意しておられますか?」
義兄「はい」
本人確認は、たった2回の「はい」だけで終了。
これで、銀行がこだわる本人確認が何のためなのかよくわかりました。
銀行の名誉のためにはっきりとは言えませんが、本人確認は少なくとも、預金者のためとは思えません。
それにしても、義兄のように重度の身体障害者に対する本人確認のやり方について、
銀行は、もうすこし人間らしい扱いを考えた方がいいのではないかとつくづく思わされました。
寝たきりで苦しんでいる本人や家族に、その本人を銀行まで搬送しなければならないという
心身共に多大な負担を強要するような本人確認のやり方をこのまま続けることは
やめていただきたいものです。


妹はかなり元気になっていました。
顔の表情も、声の調子も、かなり本調子に近づいてきたようです。
ほんとうにうれしいことです。