主人を呼ぶ白曼珠沙華
車で通り過ぎざま、左の目の視界をチラリと横切った花が、この白曼珠沙華。
家までカメラをとりに帰ってさっそく現場に引き返し、
２０枚ばかりバチバチ撮った中の一枚がこの写真です。
この白曼珠沙華は、
この辺ではまあまあ繁盛していた飲み屋の猫の額ほどの庭先にひっそりと咲いた花。
この店はそこそこに繁盛していたのに、半年ほど前からなぜか店を閉じたままで、
今のところ再開の気配はまったくなく、白い外壁もどんどん変色が進んでいます。
庭先の片隅にひっそりと咲いたこの花は、
お店の主人かおかみさんが、白曼珠沙華が大好きで、
きっとどこかで何株か掘り起こして持ち帰り、
この場所に埋めたのが、今年こんなきれいな花をつけたのでしょう。
せっかくがんばってきれいに咲いたのに、
店の主人にもおかみさんにも見てもらえなくて、
白曼珠沙華たちはみんなで
「おーい、あたしたちがこんなにがんばって咲いたんだから早くかえってきておくれよ〜！」って
二人を呼んでるみたいです。
